概要
Workshop3:統計モデリングを理解しよう ~DAGを使いながら~
セッション学習達成目標
- 統計モデルとは何かを説明できる
- 従来モデルとベイジアンモデルの違いが分かる
- ベイジアンモデリングを行うために必要なスキルが分かる
セッションへの参加要件
- ロジスティック回帰分析の結果の解釈ができる
- Excelが利用可能である
- 確率分布およびDAGについての事前課題を解いてきてください
セッション概要
臨床研究で観察される事象は複雑で、そのまま理解することは不可能です。概念を変数化した後、理解しやすい関係を取り出すことで「こういうメカニズムでその事象が発生した」と理解することができるのです。関連性のエッセンスを抽出したものを「モデル」といい、ここでは関係性を確率分布で捉える「統計モデル」について学んでいきます。
従来の統計モデルを用いた解析は、「用意された枠組みを選び、データを当てはめていく」という性質が強いものでした。しかし近年注目の「ベイジアンモデリング」は、「研究者のコンセプトに基づいた解析」への大きなパラダイムシフトになりえます。
このセッションでは統計ソフトの使い方は扱いません。代わりに、他者が考えたモデルの意図を解釈すること、自分が考えている関係性を統計モデルとして表現する方法を学びます。これは、本格的にベイジアンモデリングの解析コードを理解する下地になるでしょう。
宮越 千智
神戸市立医療センター中央市民病院小児科・新生児科 医長
経歴・自己紹介:
• 神戸市立医療センター中央市民病院小児科・新生児科
• 京都大学社会健康医学医療疫学分野非常勤講師
• 認定NPO法人 健康医療評価機構(iHope)上席研究員
小児科領域に限らずベイジアンモデリングを使った臨床研究に興味があります。
山崎 大
京都大学 医学研究科 地域医療システム学講座 特定講師
経歴・自己紹介:
北海道旭川市出身。2008年宮崎大学卒業。札幌の手稲渓仁会病院で8年間、消化器内科医として研鑽を積む。2016年京都大学大学院に入学。福原俊一教授のもとで臨床疫学を学び、2019年医学博士号取得。炎症性腸疾患のレジストリー研究と、脂肪肝や脂肪膵などの異所性脂肪に関する疫学研究を行うとともに、臨床研究教育に携わる。消化器・内視鏡・肝臓・総合内科専門医。臨床疫学会上席専門家。