地域における地道な研究活動
太田 龍一
雲南市立病院 地域ケア科
地域で行う研究はとても楽しい。目の前で起こっていること、そして地域で行おうとしている活動に対して、量的並びに質的データを集めることによって色々なことを理解することができる。さらに、そのデータをもとに地域をさらに深く理解し、より良い地域医療を遊民の方々と共に展開することができる。
今回、筆者は島根県雲南市で地域医療に携わる中で、住民の方々の受療行動に関して感じたことをもとに研究を行った。地域で起こっていることを記述するためには、多様なデータが必要であった。量的研究のみでなく質的研究、さらには混合研究を行うことによって明らかにできたリサーチクエッションもある。その結果をもとに現在、住民の方々の受療行動の一部を明らかにし、地域活動を続けている。
地域で行う研究は地道な作業であるが、医師の生涯学習にとって重要であると感じている。家庭医として地域での活動を、研究を通して言語化することによって医師として人としての成長につなげることができる可能性がある。家庭医として一つの地域で長く働いていくために、そこで起こっていることを学術的に記述していく生涯学習として重要であると考える。