多職種連携の研究を進める旅 ー多分野の研究者といかに協働するのかー
春田 淳志
慶應義塾大学医学部 医学教育センター

あなたは4万人の人口をもつX市の350床のY病院の総合診療科の医師であり、研究マインドを持って働き始めた。あなたはようやく研究日を週1日もらい、逆紹介する複数の診療所と病院の各部門を見学することにし、このプロセスを研究にしたいと考えた。そこで、エスノグラフィーという手法とその専門家が人類学者であることを知り、聞いてみることとした。また、ある診療所にいったところSocial network serviceを使った情報共有ツールを使っていることが分かった。情報共有のネットワークを可視化する研究方法として、ソーシャルネットワーク分析という手法があることが分かり、ネットワーク分析の専門家に聞いてみることとした。さらに、あなたは調べた結果をもとに、多職種連携を円滑にするためのアクションリサーチという研究手法を知った。そこで、その研究方法で論文を書いた研究者に聞いてみることとした。

このように、多職種連携を研究にするためのヒントは臨床現場にたくさんある。それをどのような視点で切り取り、どのように分析するのかを知るためには、医療の分野で使われている研究手法にとどまらず、様々な人文科学や情報科学の研究方法を知り、そこから共同研究を進めるのがよい。このような実践の足掛かりとなるようなシンポジウムを展開する。

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